種類や利用シーンからわかる手すりのメリット 設置で生活に安心を【手すり取付おすすめ バリアフリー相談室】

query_builder 2024/02/29
バリアフリー手すりスロープオーダーメイド
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介護が必要な人にとって、自宅内で手すりを利用することは安全性の確保や生活の質の維持につながります。ご本人だけではなく、ご家族も安心感を得られるでしょう。

 

とはいえ、まだ手すりを利用したことがない人はそのメリットが想像しにくいかもしれません。この記事では、手すりの種類や利用シーン、手すりを設置するメリットについて詳しくご紹介します。



手すりは高齢者の生活の質と安全を守る

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介護が必要な高齢者はさまざまな介護用品を利用します。手すり、スロープなどはその代表格です。

 

なかでも手すりは比較的設置が手軽であるということや、室内・室外を問わず幅広い場所で高齢者をサポートできることなどメリットが多いことが特徴です。



メリット1:安全な歩行をサポートする


どれほど身体を鍛えている人でも歳を取れば筋力がおとろえていきます。それにともない、歩くときに負担を感じるようになるでしょう。手すりに手を添えて歩くだけでもその負担が軽減され、歩きやすくなります。

 

また、すでに歩行が困難な状況の人でも「手すりがあれば歩ける」のであれば、手すりを使って歩くことをおすすめします。手すりのサポートを使って歩くことにより、運動量が増え、筋力が鍛えられるためです。

 

運動や適度な筋力は健康で楽しく暮らすために欠かせません。充実したシニアライフを楽しむためにも、ぜひ手すりの設置を検討してみてください。



メリット2:日常の動作がスムーズになる


手すりは歩行が困難な人のためだけに設置するわけではありません。たとえば「布団から起き上がる」「椅子から立ち上がる」といった動作のとき、どんな人でも身体に力を入れるでしょう。

 

筋力がおとろえた高齢者はそのような動作にも負担を感じます。しかし、手すりを使った立ち上がり方はその負担を軽減します。

 

好きなときに自分の意思で立ち上がれる環境は、高齢者の自立した生活をサポートするともに、自尊心や自信を保つことにもつながります。



メリット3:転倒や転落を防止できる


筋力がおとろえた高齢者はバランスを崩しやすく、若い世代にはどうということのない小さな段差でも転倒のリスクが高くなっています。手すりの設置はそのようなリスクを軽減します。

 

手すりを使って体を支えて姿勢を安定させることにより、歩行中や立ち上がるときの転倒や転落防止につながります。

 

住み慣れた自宅内でも転倒する高齢者は多く、骨折や頭部外傷をともなう重大事故や、ときには死亡事故も珍しくありません。

 

平成30年、消費者庁は「介護が必要になった人の12.5%が骨折・転倒によるものだった」というデータを公表しました。

※参考:御注意ください!日常生活での高齢者の転倒・転落!

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_180912_0001.pdf

 

手すりがすべての転倒事故を防げるわけではありません。しかし、手すりの設置によって回避できる事故も決して少なくはないでしょう。高齢者が安全に暮らすためにも、手すりの設置は重要な要素になるはずです。



メリット4:介護する家族の負担が軽減される


高齢者を介護するご家族にとっても手すりは重要です。高齢者ご本人が手すりを使って立ち上がったり移動したりできるようになれば、室内の移動やトイレ介助の負担が軽減されます。

 

サポートするとしても、手すりがない状態より安心して見守れるのではないでしょうか。



工事の要・不要から見る手すりの種類

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手すりには用途によって工事が必要なもの、不要なものがあります。ご本人の状況に合わせた種類を選びましょう。



【工事は不要】突っ張り型、据え置き型


突っ張り型、据え置き型は工事の必要がありません。購入(またはレンタル)すればすぐに使えます。

 

【突っ張り型】

突っ張り型は床と天井の間に立てたポールを固定して使うタイプの手すりです。立ち上がるときに活用しやすい構造をしています。

 

ポールだけではなく、低めの横手すりを組み合わせて設置すれば、立ち上がったあとに歩行へスムーズに移れる環境も作れます。

 

【据え置き型】

 

据え置き型は床に置いて使用します。板の上に手すりがついた形になっており、椅子やベッドから立ち上がるときに使いやすいタイプです。

 

置くだけで設置が完了するため、移動が容易であり、幅広い場所で使えることも特徴のひとつです。寝室、リビング、トイレなど、「座る・立つ」の動作が多い場所で使い勝手のよさを感じやすいでしょう。



【工事が必要】縦型、水平型、L字型、階段用


縦型、水平型、L字型、階段用は設置工事が必要です。壁や柱など、家屋にビスや工具を使ってしっかりと固定します。

 

【縦型】

 

垂直に設置する手すりです。立つ・座る、段差を上る、ドアの開閉時に転倒防止サポートをするなどの用途で使われます。

 

【水平型】

 

横長に設置する手すりです。立つ・座るのサポートをするほか、手を滑らせながら歩くことができるため、玄関や廊下などに設置することが多い傾向です。

 

L字型】

 

縦型と水平型が組み合わされたような形をしています。立ち上がったときの安定性や姿勢をサポートしやすく、浴槽やトイレに設置されることが多い手すりです。

 

【階段型】

 

名称の通り、おもに階段に設置する手すりです。階段の昇降をサポートし、転倒や転落の危険性を遠ざけます。階段の左右の壁に設置できれば理想的ですが、利用者の利き手側に設置することもあります。



手すりの選び方は?利用者の使い勝手を優先に

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手すりの設置を決めたのなら、次はどの手すりを選ぶかが重要です。

 

設置する家の状況にもよりますが、もっとも重視するべきことは利用するご本人が負担を感じずに使えることでしょう。

 

ご本人が使いやすいと思える手すりであれば、手すり設置のメリットが最大限に発揮されます。手すりを選ぶときにチェックしたいポイントを見てみましょう。



ポイント1:使いやすいと思えるか


手すりの選び方で最初に注目したい点は、利用するご本人の身体の状態で使いやすいかどうかです。日常の生活やそのなかでの動作をよく見て、「ここに水平型がほしい」「ここに据え置き型がほしい」など、設置場所や種類を考えます。

 

たとえば、階段の昇降にふらつきやすい、足元が見えにくいといった事情がある場合は階段用の手すりが必要です。また、ベッドから降りて立ち上がるときに支えが必要であれば、突っ張り型や据え置き型が使いやすいでしょう。

 

身体の状況や生活環境に合わせた選択は、使うご本人が「便利だ」と感じるもののなかから選ぶべきです。

 

迷った場合にはケアマネジャーさんや設置業者への相談をおすすめします。設置経験が豊富な専門家として、一人一人に合わせた適切なアドバイスがもらえるでしょう。



ポイント2:身長とのかねあいは適切か


身長と手すりの高さを合わせることも大切です。高すぎても低すぎても使いにくく、ときには事故の原因になりかねません。

 

国土交通省の資料によると、高齢者の手すりについて高さの基準が定められているものは、バルコニー用(転落防止用)や窓台に限られてます。そのほかの場所へ設置する種類については言及されていません。

※参考:高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則第4条第5号の規定に基づき国土交通大臣の定める基準

URLhttps://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/20181219/20051006.pdf

 

基準が定められていないということは、ご本人の身長や生活に合わせた高さでの設置ができるということでもあります。

 

高さを決める要素は複数ありますが、以下のような点への注目もおすすめです。

 

【廊下】

 

歩くときに握りやすく、かつ、スライドさせやすい位置を考えます。

 

・腕をまっすぐ下げたときの手首の位置

・太ももの付け根(大腿骨大転子のあたり)

・普段使っている杖の高さ

 

【出入り口(扉)】

 

片手で手すりを握り、片手でドアを開く動作を想定してみましょう。

 

・一般的には肩の高さ、またはその少し上

・付近の壁に手垢があれば、支えるために日常でよく触れている能性がある。高さの参考になる

 

【階段】

 

手すりの位置が高すぎると、上るときに重心が後ろへ下がり、転落の可能性があります。一般的には750800mmが設置される傾向がありますが、利用者の身長と合わせられるよう、微調整が必要です。

 

階段の手すりは複数の手すりを組み合わせることもあるため、ケアマネジャーさんや設置業者とよく相談することをおすすめします。

 

ほかにもトイレ、お風呂、玄関など、一人一人の身長に適した高さがあります。何よりも使いやすさと安全性を重視するため、ご本人が立ち会えるときの決定が理想的です。

 

また、身体障がいや病気などがあれば、身長に対する一般的な設置位置では使いにくさを感じるかもしれません。そのような点にも配慮が必要です。ケアマネジャーさんや設置業者のほか、かかりつけの病院で相談してみることもおすすめです。



ポイント3:太さは適切か


太さは使い勝手だけではなく、手すりのメリットを活かすためにも重要です。

 

手すりの太さはすべて同じというわけではありません。設置場所や目的によって適切な太さがあります。大きく分類して「動作の補助」「移動の補助」で考えましょう。

 

【動作の補助】

 

動作の補助とはトイレやお風呂での立つ・座るの動作や、扉を開けるときなどの動作が該当します。この場合、「握る」と「支える」のふたつをしっかりサポートできる太さが必要です。

 

「握る」タイプの場合、太さ2.83.2cmの手すりが多い傾向です。しっかりと握ったときに親指がほかの指先と少し重なる程度を意識しましょう。

 

立つ・座るなどの動作補助は、手すりをしっかりと握らなければ効果が発揮しにくくなります。握りやすい太さになるよう、ご本人が実際に握ってから決めることをおすすめします。

 

【移動の補助】

 

移動の補助は廊下を歩く、階段の昇降などの動作が該当します。このような場合は「支える」のほか、「する(摺る)」が必要です。握って使うよりも手のひらを滑らせ、手全体を使って身体を支えるイメージです。

 

「する」タイプでは太さ3.23.6cmの手すりが多い傾向があります。

 

太さはあくまで傾向であり、法的な基準があるわけではありません。指が不自由(リウマチなど)な人は一般的な太さでは滑らせにくい、握りづらいといった心配が出る可能性があります。一人一人に合わせた太さの選択が必要です。



手すり取付は介護保険が利用できる


手すり取付は介護保険の「住宅改修制度」が利用できます。ご本人の安全性や自立性を高めるためには、住宅改修制度で設置費用をおさえ、危険だと考えられる場所をできるだけカバーすることが最適です。

 

たとえば弊社では「屋外用 壁付け手すり(16,000円、1メートルにつき)」のプランを用意しています。工事費(2,000円)と合わせると約18,000円です。

 

この工事で住宅改修制度を利用すると、自己負担は13割(ご本人の所得によって変動)で済むため、実際に支払う金額は1割負担で1,800円~3,600円になります。

 

ただし金額には上限があり、利用総額の20万円までが住宅改修制度の対象と定められています。詳しくはケアマネジャーさんや設置業者へご相談ください。



手すりのメリットを活かすためには使いやすさが大切


手すりは高齢者の生活のなかでいくつものメリットを発揮します。安全性や使いやすさを重視しながら、用途やライフスタイルに合った種類を選びましょう。

 

手すりのメリットを活かすためには、ご本人が使いやすいと感じられるタイプの選択や適切な場所への設置が重要です。設置の際には介護保険の住宅改修制度が利用できるため、費用面の計画も立てやすくなるでしょう。

 

分からないことや不安なこと、疑問などはケアマネジャーさんや設置業者への相談が一番です。適切な設置のためにも、ぜひ専門家へのご相談をおすすめします。



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バリアフリー相談室

住所:東京都足立区佐野 2-16-7

電話番号:03-6686-5144

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